四国お遍路さんの旅2 [お遍路]
2023年3月14日火曜日
お遍路さんスタートの朝。
朝ご飯は、ホテルが無料で提供してくれるパンとコーヒー。
それに昨夜の残りの鳴門金時の天ぷら。
(無人の)レセプション棟に用意されているパン、コーヒー、ポット、トースターなどをトレイに載せて各自部屋に持ち込むことになっているので、ゆっくりと食べることができた。
建物は2階建てのアパートだが、なんだかバンガローに宿泊した気分。
鳴門駅から電車に乗っていざ四国八十八か所第一札所へ。
が、思わぬ足止め。
ちゃんと電車の時刻表を確認してそれに合わせてホテルを出ればよかったものの、何も考えず朝9時にホテルを出たので、電車は発車したばかり。
次の電車まで1時間ある。
時間もあるし、肌寒くもあるので、駅前の足湯へ。
毎日の足湯が日課ですといった風情のおじさまとおばさまに交じって母も。
お遍路に浮足立っている母は、お遍路に来たことを積極的に語りだす。
いろいろゆっくりな母なので、待ちの1時間もなんなく過ごして電車へ。
池谷駅で乗り換え。
乗り換えの待ち時間は20分くらいだった。天気が良いので待ち時間も苦にならない。
乗車した電車には、お遍路さんの白半纏に笠をかぶった外国人がいて、お遍路列車の様子。坂東駅から一番札所の霊山寺までの道にはグリーンの導線が描かれているので迷わず到着。
スタート地点というのは身が引き締まる。
さて、お遍路ど素人の私たちは、なにも持たずにやってきたのであるけれど、
駐車場横に大きなお店があって、なんでも揃う。
とりあえず納経帳とお札を購入。
お札は一札所につき本堂と大師堂の2枚納める。
一番札所は、スタートの場であるのはもちろん、88か所すべて回った後にご報告に来る場でもあるので、一番にぎわっていた。これから始める人と終えた人がいるのって不思議。
さて、2番札所まで緑色のラインを頼りに…と思ったら、ラインはない。
2番札所の極楽寺方向を示す看板を頼りに歩きだす。
ほどなくしてうどん屋さん発見。ちょうどお昼時だったので入店。
讃岐うどんとは違うんだろうけど、さすが四国のうどん屋さん。美味しい。
のどかな風景を眺めながらの2番札所までの1.4キロはちょうど良い腹ごなしになった。
極楽(寺)への階段。
弘法大師お手植えの長命杉。
札所には前後の札所の方向と距離を示す看板がたっている。
次の三番札所の金泉寺までは2.6キロ。
道端に立つ標石や、
電柱に貼られた歩きへんろ道のシールが頼りになる。
ところで、今夜は6番札所の安楽寺宿坊に宿泊する予定なのだが、次の4番札所の大日寺まで5キロもある。すでに午後2時を回っていて、このペースじゃ間に合わない。
というわけで、大日寺までタクシーに乗車。
タクシーで正解!
距離も5キロだが、上り下りが多い道だった。
4番札所の大日寺は立派でした。
ところで、母の足の調子もあって時速4キロを下回るような超スローペースな歩きへんろなので、他の(体力自慢の)歩きへんろの方とは進度がまったく違うのだが、タクシー乗車という禁じ手(?)を使ったことでこの大日寺で追いついた。
1番札所で見かけた歩きへんろ初心者仲間を発見。1番札所の売店で私たち同様に「なにを買ったらいいんだ?」って風にいたのでよく覚えている。
よっしゃ!行ける!と自信がついた。
次の5番札所の地蔵寺まで2キロ。
途中の道路脇に「どうぞおつかいください」と杖にするのに良さそうな竹を提供してくれているお接待があったのでありがたく母のために頂戴した。
2キロの道のりに1時間近くかかって、5番札所の地蔵寺。
次まで5.3キロあるけど、今日は最後!そこに泊まるんだからね!とはっぱをかけつつ歩く。
途中、おじいさんに「歩いて行くの?北海道からきたの?ひゃーーーー」などと声をかけられつつ、2時間かかって6番札所安楽寺に到着。
母も頑張ったが、母のペースに合わせて歩くのはとてもきつかった。
6番札所安楽寺に到着したのは、午後5時45分。
チェックインの手続きを済ませるとすぐに午後6時からの夕食時間。
「宿泊者の皆さんには同じ時間に夕食をとっていただきます。」とのことで、夕食前に風呂に入ることは許されず...。
精も根も尽きた様子でがっかりしている私たちを見るに見かねたのか、「宿泊者の皆さんはほぼ全員、夕食後の7時から1時間程度の勤行に参加されますけど、もし勤行に参加されないのであればその時間誰もいないお風呂に入れますよ」。
なんと!
出発前は「宿坊で勤行」を楽しみにしていたくせに、そんなことすっかり忘れて一番風呂にゆっくりと浸かって疲れをいやした。
部屋。
洗面所は各個室の入り口外についているけれど、トイレは共同。
疲れたし、風呂上がりに自販機で缶ビールを買って飲んだし。
ぐっすりと思いきや、隣の部屋との壁が薄くて会話は丸聞こえだし、夜中に廊下でなにやら大声で騒ぐ男性がいるし、廊下突き当の我々の部屋のすぐそばの国道を走る車の音がうるさいしで大変だった。
そんなこんなで長い長いお遍路一日が終わった。